【戦国武将たちと味噌】
戦国武将たちが、陣中で重んじた食べ物のひとつに味噌がある。というのも、味噌は生命維持に不可欠な塩分を、大豆の蛋白質などと一緒に摂取できる、便利な携帯栄養食だったからである。武田信玄もまた、味噌を大切にした武将であった。山国で塩が十分得られない甲斐の不利を、信濃の大豆で作る味噌によって克服しようとしたのである。食文化史研究家の永山久夫さんによると、「味噌は酵母菌や乳酸菌などが含まれた消化剤でもあり、疲労回復の効果もあります。信玄が考案したという『陣立味噌』は、米麹を多く入れて発酵を早くし、完全に発酵すると生菌効果が高くなるという、優れた健康食品だったのです」という。こう-した兵糧としての味噌を、領内の産業にまで発展させたのが、仙台の武将・伊達政宗である。政宗は、慶長六年(1601)に青葉城を築城した際、城下に日本初の味噌工場「御塩噌蔵」を建造した。「仙台味噌」の製造工場だが、この味噌はすでに、文禄元年(1592)の朝鮮出兵で兵糧として用いられた時から評判になっていた。大陸の暑さで、他藩の味噌が腐敗してしまうなか、仙台味噌だけは変質しなかったからである。
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